品出しを始めたばかりの頃、私たちが直面する一番の壁って、何だと思いますか?
それは「動き方」なんです。
「あ、そうだ、あの棚の〇〇も補充しなきゃ」とか、「あ、さっきの場所に戻って、あれも取ってこないと」といった、行きっぱなしになってしまうことですよね。私も何度も経験しました。
特に開店前や夕方の忙しい時間帯は、動きが一つでも無駄になると、あっという間に時間が過ぎて、棚がスカスカのままになってしまう。私も最初は、一日中走り回っているのに、全然仕事が終わらない感覚に陥っていました。正直、あれは心が折れそうになります。
今回は、そんな「無駄な往復」を劇的に減らすための、私なりの具体的な方法、「メモの活用術」について、私の失敗談も交えながらお伝えしていこうと思います。
焦りが生む「無駄な往復」の悪夢
私がバイトを始めた頃の話です。
ある日、先輩から「ジュースコーナーの補充を頼む。あと、お菓子コーナーの塩味スナックも、ちょっとだけ減ってるから見ておいて」と指示を受けました。
私は「はい!」と元気よく返事をして、まずはジュースコーナーへ向かいました。ジュースを補充し終えて、さてお菓子コーナーへ、と思った瞬間、頭の中でハッと気づきました。「塩味スナック、どこにあるんだっけ?」
そう、指示された場所と、補充が必要な商品の場所を、頭の中で一緒に整理できていなかったんです。
結局、お菓子コーナーに着いてから、棚札を一つずつ確認し直し、塩味スナックを見つけるのに時間がかかりました。そして、補充を終えた頃には、別の場所で「あ、これも減ってた!」ということに気づき、また別の場所へ移動……。
この日一日で、おそらく10回以上は「あ、あれも!」という理由で、同じ通路を何度も往復したと思います。気づけば体はヘトヘトなのに、作業効率は最悪。家に帰ってから「なんであんなに動いたのに、全然進んでなかったんだろう」と反省しました。
この経験から学んだのは、「頭の中だけで覚えておこう」とするのは、かなりリスキーだということです。私たちはロボットではないので、情報を処理しきれなくなるのは当然なんですよね。
往復回数を減らすための「チェックリスト化」
そこで私が導入したのが、ごくシンプルですが強力な「メモを取る習慣」です。
いきなり「完璧に覚えておく」を目指すのは無理なので、まずは「忘れないように記録する」ことを目指します。
1. 移動前に「ついでにやること」をリストアップする
品出しの基本は、一つの場所から別の場所へ移動する際に、「ついでにできること」をまとめておくことです。
例えば、私が冷凍食品の品出しに行くとき、以前は「冷凍食品だけ」を考えていました。しかし、今は移動ルートを考え、以下のようにメモします。
- 目的地: 冷凍食品A
- ついでにやるタスク:
- レジ裏の冷蔵庫にある「〇〇ヨーグルト」を牛乳コーナーへ移動(賞味期限が近いもの)
- 通路にある陳列カゴのゴミを回収
- 牛乳コーナーで「牛乳」のフェイスアップ(前出し)を行う
このように、目的地とは関係なくても、移動のついでに立ち寄れる場所にあるタスクをまとめてしまうんです。
2. 現場で「発見したこと」を記録する
品出し中に新しい「補充が必要な場所」を見つけたら、その場で立ち止まって補充するのではなく、必ずメモに書き出すようにしています。
もし私が、現在お菓子コーナーで作業している時に、遠く離れた調味料コーナーで「マヨネーズが少ない」のを発見したとします。
このとき、その場からマヨネーズを取りに行ってしまうと、お菓子コーナーの作業が中断されてしまいます。結果、二度手間になることが多いんです。
なので、私は小さなメモ帳(ロッカーに置いてあることが多いです)に、「調味料:マヨネーズ補充」とだけ書いて、作業を続けます。
そして、調味料コーナーへ向かうタイミングが来たら、そのメモを見て一気に処理します。
失敗から学んだ「メモのルール」
ただ書くだけでは意味がありません。私も最初は、ただ走り書きをして、後で読めなくなったり、必要な情報が抜けていたりして、結局メモを見ても意味不明、という事態によく遭遇しました。
1. 簡潔に、場所と商品をセットで書く
私が過去にやらかした失敗が、メモに「チーズ」とだけ書いてしまったことです。
後でそのメモを見て、焦りました。チーズって、ナチュラルチーズ?スライスチーズ?クリームチーズ?どれのことだ?
結局、棚に戻って確認する羽目になり、往復回数が増えました。
教訓です。メモには必ず「場所+商品名」をセットで書くようにしてください。
- 悪い例:「チーズ」
- 良い例:「チルドA-3:スライスチーズ補充」
2. 優先順位を軽くつけておく
メモがたくさん溜まると、どれから手を付けていいか迷いますよね。
私はメモを取るとき、緊急度によって「A:今すぐ対応(賞味期限直前など)」や「B:次のルートで対応」のように、軽く印をつけておくことにしました。
これにより、後で作業を組み立て直すとき、「今日はまずAのタスクを終わらせてから、Bに進もう」と迷わず動けるようになります。
メモは「あなたの優秀なアシスタント」です
品出しバイトは、肉体労働という側面が強いですが、同時に「動線のマネジメント」という頭脳戦の側面も持っています。
最初は、メモを取る時間なんてない!と思うかもしれません。でも、一度メモを取る習慣がついて、無駄な往復が一つでも減ると、驚くほど体が楽になり、時間的余裕が生まれるのがわかります。
私も最初は「メモなんてカッコ悪い」「ベテランはそんなの取らない」と思っていた時期がありました。でも、数々の破損や補充ミスで時間と労力を無駄にしてきた経験から、「自分に合った、確実にミスを減らす方法」を選ぶのが一番賢いやり方だと気づきました。
メモは、あなたの記憶力を補ってくれる、優秀なアシスタントです。今日からぜひ、小さなメモ帳を用意して、あなたの動きを最適化してみてください。最初はうまくいかなくても、試行錯誤を楽しんでいきましょう。一つ一つの積み重ねが、必ずあなたのスキルアップにつながりますよ!
