品出しバイトを始めたばかりのあなたへ。今日は、ちょっと重たいテーマかもしれません。「食品ロス」、いわゆる「廃棄」について、私たち品出し係が現場でどう関わっているのか、そして、どう考えればいいのかを正直にお話ししようと思います。
品出し係と「廃棄」は切っても切れない関係です
「廃棄」って聞くと、なんだかネガティブな響きですよね。スーパーで品出しをしていると、棚の奥に隠れて期限が迫っている商品や、パッケージが少し潰れてしまった商品を見つけることがあります。あれが、私たちが毎日向き合う「廃棄候補」です。
私自身、このバイトを始めた当初は、賞味期限が近いものを見つけるたびに、なんだか胸がチクッとするような、後ろめたい気持ちになっていました。だって、私たちが一生懸命補充したものが、結局はゴミになるわけですから。
正直に言うと、最初は「ミスしたかな」「もっと早く並べればよかったかな」なんて、自分を責めてしまうこともありました。特に、あのお酒のバラ缶を棚に詰め込みすぎて、結局何本か穴が開いて廃棄になった時のショックは忘れられません(汗)。あれは本当に焦りましたし、棚を拭きながら「ああ、これが無駄になるのか…」と落ち込んだものです。
でも、経験を積むうちに、廃棄は「失敗」だけではない、スーパーの仕組みの一部なんだと気づき始めました。もちろん、無駄は少ない方がいいに決まっています。でも、それをゼロにするのは、今のスーパーのシステムの中では、正直難しいのが現実なんです。
廃棄を生むメカニズム:品出し係の視点
なぜ商品が廃棄になるのか。これを理解すると、日々の仕事の見方が少し変わってくるかもしれません。
1. 発注と予測のズレ
廃棄の主な原因は、「需要の予測ミス」にあります。
- 過剰発注: 会社やバイヤーが「たぶんこれだけ売れるだろう」と多めに見積もって発注する。でも、天候が悪かったり、競合店でセールがあったりすると、売れ残ります。
- 賞味期限の短さ: 特に生鮮品やチルド品は、製造日からお店に届き、店頭に並ぶまでのタイムラグがあります。せっかく綺麗に並べても、数日後に期限が来てしまう、ということが避けられません。
私たち品出し係は、この「発注された量」を、いかに効率よく、魅力的に陳列するかが仕事です。ただ並べるだけでなく、「明日誰かが買うだろう」という未来を想像しながら並べる作業なんですよね。
2. 陳列方法による運命の分かれ道
商品が棚の奥で「死んでいく」パターンもあります。これが、私たち品出し係の腕の見せ所であり、同時に失敗の温床でもあります。
- 先入れ先出しの重要性: 新しいもの(賞味期限が遠いもの)を奥に、古いもの(期限が近いもの)を手前に出す「先入れ先出し(FIFO)」は基本中の基本です。しかし、これが崩れると、奥の商品が忘れられ、廃棄になります。
- 私の失敗談ですが、 急いでいる時に、奥の商品を前に出すのをサボってしまったことがあります。結果、期限が数日後に迫ったジャムが棚の奥で発見され、廃棄になりました。あの時、「サボった自分が悪い」と心の中で謝りましたね。
- フェイスアップ(陳列の見た目)の罠: 綺麗に陳列することは大切です。でも、棚をパンパンに詰め込みすぎると、奥の商品が物理的に取り出しにくくなり、結果的に売れ残りやすくなります。見た目の美しさと、商品の流動性のバランスを見極めるのが難しいんです。
私たちが「廃棄削減」のためにできる具体的なアクション
じゃあ、私たちはただ言われたことをこなしていればいいのか?というと、そうではありません。私たちは「現場で一番商品と接している人」です。だからこそ、廃棄削減に貢献できる具体的な行動があります。
1. 棚の「死角」を定期的にチェックする
これは、「誰かがやらないなら、自分がやるしかない」という、私なりの小さなマインドセットです。
- 作業の合間に「顔色を伺う」: 商品を補充する時、つい新しいものだけを前に持ってくることに集中しがちです。でも、一度立ち止まって、棚の「一番奥」や「下段」を覗き込んでみてください。
- 期限チェックの習慣化: 期限が近いものを手前に寄せる作業は、地味ですが非常に重要です。手間かもしれませんが、「今日は〇〇の期限チェックだけは完璧にやる」と決めて、その時間を作るんです。私も、これを習慣にしてから、廃棄になる商品の数が明らかに減りました。
2. 陳列は「迷わせない」を意識する
人間関係は苦手な私ですが、商品の陳列に関しては、「お客様を迷わせないこと」が一番大切だと考えています。
- グルーピングと並び順: 例えば、お酢のコーナーで、米酢、穀物酢、リンゴ酢がバラバラに置いてあると、お客様は探すのに時間がかかり、結局「いいや、あっちのスーパーで買おう」となってしまうかもしれません。同じカテゴリのものは、見やすく固めて、さらに並び順を統一する。
- 欠品を作らない: 欠品は「売れない」のではなく、「売る機会を逃している」状態です。台車で運んでいる最中に、棚に空きを見つけたら、たとえそれが一つでも、すぐに補充する。この「機会損失をなくす」意識が、結果的に余計な発注を防ぐことにも繋がります。
廃棄と向き合う時の「心の持ち方」
廃棄作業って、本当に気が滅入りますよね。特に、まだ買ったばかりのような綺麗な商品が、山積みになって廃棄場に運ばれていくのを見るのは辛いです。
でも、ここで一つ考えてみてほしいんです。
「スーパーの品出しは、賞味期限と戦うマラソンだ」ということです。
私たちは、この戦いに勝つことよりも、「いかに負け(廃棄)を最小限に食い止めるか」に注力すべきなんです。完璧を目指すと、焦ってミス(私のように缶に穴を開けたり、間違った場所に補充したり)をして、かえって大きな損失を生むことになりかねません。
完璧にやろうとしなくていいんです。今日、いつもより一つでも多くの商品を、正しい場所に、期限を意識して並べられたら、それは立派な成果です。
私たち品出し係は、誰かの生活を支えるために、地味だけど重要な仕事をしているんですよ。今日も腕や足にアザを作りながら(笑)、頑張っているあなたを、心から応援しています。一つ一つ、丁寧に、自分のペースで取り組んでいきましょうね!
